哲学

哲学の考え方を変えたカントの認識論~コペルニクス的転回~

前回カントは人間は感性と悟性によって世界を認識していると考えていることを書きました。      今回はこの話を前提にカントの考えを深掘っていきます。       ア・プリオリとア・ポステリオリ カントはまず、人間は"ア・プリオリな理解”を持...
哲学

何も知らないはずの赤ん坊がライオンに怯えるのはなぜ?~感性と悟性~

経験論と合理論 イングランドではベーコン、ロック、ヒュームらによって英国経験論(経験論)が発展。    一方、ヨーロッパ大陸ではデカルト、スピノザ、ライプニッツらによって大陸合理論(合理論)が発展していきます。    この経験論と合理論が成...
雑学

【雑学】エビの姿焼きとたっぷりチーズ〜えびドリア&ドリアの発祥〜

(※この記事は、別で書いているグルメ系のブログ記事から一部引用&加筆したものです。今回は雑学的な部分があるのでコチラのサイトでも合うかと考え、同時投稿することにしました。)    えびドリア 今回の外食は那須塩原市と大田原市の境目にある洋風...
教育

あなた方の弱点を見せてやるがいい。~エミールより~

前回記事   この記事では、ジャン・ジャック・ルソーが著した“エミール”から、子育てや生活に役立つような言葉を抜粋して紹介していきます。       “子どもは子どもの教育が必要である”と考えたルソーの考えを、1記事に3つずつまとめていきま...
芸術

悪徳に対する勇気の象徴?~ユディト~

男の首を切る女性の絵。     これらの絵を見てどのような印象を受けますか?   これは旧約聖書に登場する"ユディト”という女性を題材に描かれた絵画です。   今回はこのユディトに関する話と、時代によって変わる印象の違いに触れていきます。 ...
文学

たとえ本心でなくても賢い人から学ぶべし~徒然草~【第八十五段】

第八十五段 人の心すなほならねば、偽り無きにしもあらず。 (人の心は純粋ではない、嘘がないわけでもない。)    されども、おのずから、正直の人、などかなからん。 (しかし、まれに、本当に正直な者もいる。)    己すなおならねど、人の賢を...
芸術

西洋風景画の再興〜クロード・ロラン〜

途絶えた自然描写 ラスコー洞窟の壁画 古代の壁画には動物の姿や周りの風景などを描写した自然描写が所々に確認されています。    しかし、中世に入るにつれてその描写は薄れていきます。    17世紀初頭に入り古典風景画というジャンルが確立され...
生物

古代の巨大菌類~プロトタキシーテス~

キノコを食べて巨大化するのはマリオですが、巨大なキノコと言えば何を思い浮かべるでしょう。      世界最大の単一生物と言われているオニナラタケはその大きさなんと8.9㎢!   土の中で菌糸を張り巡らせて一部を地上に出しているため、見た目で...
科学

消毒・殺菌から科学兵器まで~塩素~

塩素    塩素は反応性が高く、自然界では化合物として存在することがほとんどです。    代表的なものは塩として知られる塩化ナトリウムがあります。    胃酸の大切な成分としても働く大切なミネラルでもあります。    今回はそんな塩素につい...
歴史

世界初の”保守主義”~フランス革命の省察~

フランス革命とバーク 人権宣言(基礎にコモン・センス)の精神に基づいて起こったフランス革命。    ルイ16世のギロチンによって幕を閉じた革命ですが、アイルランド生まれの思想家エドマンド・バークはこのフランス革命に異議を唱えました。   エ...
宗教

迫害や脅迫からの抵抗の象徴~スザンナの水浴~

スザンナの水浴(あらすじ) 旧約聖書のシーンの一つである"スザンナの水浴”は、裕福で真面目な夫ヨアキムの妻"スザンナ”が主人公の物語です。    美しく気品溢れるスザンナは、毎日家の庭で水浴をすることが日課でした。    ある日いつものよう...
科学

ゴムの材料にも硫酸にも~硫黄~

硫黄 硫黄といえば、温泉地でよく嗅ぐあの臭いで有名ですね。    山を登れば、ところどころにある蒸気孔周辺に黄色い硫黄の結晶が付着していることもしばしば見受けられます。    DSC_0303    しかし純粋な硫黄は無色な上に無臭です。 ...
教育

最も危険な敵、それは自分自身だ。~エミールより~

前回記事   この記事では、ジャン・ジャック・ルソーが著した“エミール”から、子育てや生活に役立つような言葉を抜粋して紹介していきます。       “子どもは子どもの教育が必要である”と考えたルソーの考えを、1記事に3つずつまとめていきま...
文学

ここぞと言うときは機会を待たず動け!的な~徒然草~【第百五十五段】

半年ほど前から勉強前の字の練習として徒然草を無心で写しているのですが、よくよく内容を読んでみると結構良いことが書いてあるのですね。       時々このように勉強になった章を書き残していこうと思います。         第百五十五段 世に従...
生物

地上に進出した植物~クックソニア~

シルル紀を語る上で外してはいけない生き物(植物)がいます。   クックソニアです。   形が確認できる最古の陸上植物と言われており、シルル紀以降、生物の地上進出に大きな影響を与えました。   クックソニアの化石     植物の地上進出 一つ...
歴史

アメリカを独立に導いた小論文~コモン・センス~

革命期 ルネサンスと宗教改革によって中世が終わると、アメリカ独立戦争(1776年)やフランス革命(1779年)など激動の時代の幕が開けます。    特にアメリカ独立は、世界で初めての人工国家の誕生であり、自由と平等に基づく革命精神が世界に広...
宗教

人間の思い上がりと神の怒り~バベルの塔~

ノアの子孫 ヤーコプ・ファン・デル・ウルフト作「バベルの塔」1689年   世界が大洪水にのまれてしばらく経った後の物語。    ノアの子孫たちは東メソポタミアのシンアルという場所に定住していました。   彼らは祖先が同じであることから、共...
歴史

ルソーが生んだ日本にも残る音楽~村の占い師~

村の占い師 この音楽の出だしどこかで聞き覚えがありませんか?    日本の童話"むすんでひらいて”のメロディーですね。   この曲はフランスの政治哲学者ジャン=ジャック・ルソーが作曲した、"村の占い師”という曲です。    1752年頃にこ...
科学

DNAから兵器まで~リン~

リンと身体 人体においてカルシウムに次いで多いミネラルがリン(Phosphorus)です。    体内ではほとんどのリンが酸素と結合しリン酸を形成しています。    また細胞膜、DNAを構成するヌクレオチドなど、いくつかの重要な物質の構成要...
宗教

ダビデ王を狂わせた魅惑の水浴び~バト・シェバ~

英雄が犯した罪 バト・シェバとダビデは、ゴリアテを倒した英雄ダビデがイスラエルの王になったあとの物語です。   ある日ダビデが自宅の周りを散歩しているとき、身体を洗っているひとりの女性を見つけます。    ダビデはこの女性に一目惚れをし、配...
生物

大量絶滅を生き延びた魚類たち~アテレアスピス&へミキクラスピス~

地球史最初の大量絶滅 今から4億4300万年前のオルドビス紀(シルル紀のひとつ前の時代)の海には、ピカイアから進化した魚類の祖先が既に存在していました。       コノドントやアランダスピスに代表されるオルドビス紀の魚類たちは、まだ顎がや...
雑記

スマホを落としただけなのに(泣)

今回はスマホを落として壊してしまったことについての嘆きの記事です。       荷物を沢山持っていたときにポロッと落としてしまい、ガラステーブルの角にぶつけてしまいました。       機種はGalaxy Note20 Ultraです。  ...
哲学

ルソーの社会契約論~自然に還れ~

ルソーが考えた自然状態 ルソー 自然法は完全である。 トマズ・ホッブズは"人間が自然状態の頃は常に争っていた”と考え、自然状態の不完全性を主張しました。    これに対しジャン=ジャック・ルソー(1712~1778年)は、"人間が自然状態の...
科学

時計の部品から集積回路まで~ケイ素~

石英・水晶としてのケイ素 地殻において、酸素に次いで多く含まれている元素がケイ素です。    ケイ素を含む代表的な鉱物が二酸化ケイ素(SiO2)で代表的なものに石英が挙げられます。    二酸化ケイ素が地中で熱せられて結晶化した石英の仲間が...
宗教

巨人を倒した選ばれし少年~ダビデとゴリアテ~

サウル王とダビデ いわゆる旧約聖書の話、イスラエルを率いた王にサウルという人物がいました。    神に選ばれたサウル王は、民を率いて幾多の戦いに勝利してきました。       しかし、一度だけ「アマレク人とそれに属する者たちを滅ぼせ」という...
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