今回紹介するのは、隔離された精神病院を舞台にしたサイコスリラー映画「アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち」です。
19世紀末のイギリス、自由を重んじ、先進的な治療をすると言われる病院に研修をしに行った主人公が、なぜか病院の違和感を感じ取りその正体をさぐっていくという物語です。
エドガー・アラン・ポーの短編小説「タール博士とフェザー教授の療法」を原作としているだけあって、映画全体を通してブラックな雰囲気やミステリー感に没頭できる作品だと感じます。
それではあらすじから……。
あらすじ
医師になったエドワードは、精神医学の分野で有名なストーンハースト精神病院に訪れる。
辺境の地で行われる治療は、従来の教科書通りの医療ではなく患者の自由を尊重した独自のアプローチが行われていた。
エドワードはそれらの先進的な治療法に関心を示すと同時に、院内に漂う怪しい雰囲気も感じとっていた。
診察の中でエドワードは、ひとりの美しい女性イライザに出会う。
患者の一人である彼女は彼に「この病院から逃げろ」と忠告する。
感じていた違和感が確信に変わった彼は、この精神病院の謎を解明するため思考を巡らせる……。
科学の進歩の過渡期を感じる
映画の端々に見えるアンティークな家具や治療の実験道具が科学の発展を想起させ、作中の雰囲気にとても良いアクセントを与えてくれています。
産業革命による技術革新を経た19世紀末期。
過去の巨人たちによる科学実験から、医学も発展していったことが分かりますが、病院のサイコさを表現するシーンも所どころ実験器具で表現されていたりします。
冒頭で例を挙げるとしたら、カエルの半身に電極がつながっているシーン……。
電気が流れると筋肉が収縮して、カエルの下半身が動くという実験です。
ルイージ・ガルヴァーニの実験を基にアレッサンドロ・ボルタが電池を開発した歴史があったりします。
それ以外にも実験の跡などから様々な考察ができる、映像を見返した際にそう言った宝探し的な楽しみ方もできます。
とはいえ一度目はそんなこと気にせずに、作品のミステリー感を楽しむといいと思います!
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