今回紹介するのは、フランスで起きた事件をもとにしたサスペンス映画「孤児院(La révolte des innocents)」です。
戦争や病気によって親がいなくなってしまった子どもや経済的な事情によって親元を離れなければならない子どもたち。
そういった保護者を失った子どもたちは、得てして犯罪に手を染めなければ生きていくことが困難です。
映画の舞台となった1911年フランスも同様ですが、「孤児院」をはじめとして孤独となった子どもたちを支援する施設や制度は備えていました。
孤児院や修道院という子どもの教育に関わる機関の中には、みなしごに対して虐待をはたらいたり金儲けの道具として扱うことも事実ありました。
この映画も、そんな“孤児院”の闇に触れた内容となっています。
それではあらすじから……。
あらすじ
20世紀初頭フランス。
夫のいないルイズ・ペローは、仕事を見つけるまでの数週間、息子のガストンを孤児院に預けることにする。
院長の高圧的な態度に半ば不信感を持ったルイズだが、息子に「すぐに迎えに来る」と伝えその場を後にする。
しかしその孤児院は、まともな防寒服も、ろくな食事さえ与えられない劣悪極まりない環境だった。
対して、政府の補助金によって懐を肥やす責任者たち。
あるときガストンは、院の視察に来た監察官に対して生活の悲惨さを訴える。
しかし、証拠もない状態での訴えは監察官には届かなかった……。
どこにでもある上流階級の闇
人を騙してお金を得るという構図は、国や時代に限らず起こり得ることです。
「金持ち=悪いことをしているのではないか……」
という古くからある拝金主義の悪しき風潮を映し出しているような作品だと思います。
ちなみに、子どもが主役として話が進むようなあらすじを書きましたが、内容のメインは母親と検事が孤児院の闇を暴こうと奮闘するストーリーとなっています。
映画がマイナーなのであまり知られいませんが、機会がある際は一度ご視聴して頂きたい映画です!
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