教育文学

人生には他にも楽しみはある。~エミールより~

教育

前回記

 

この記事では、ジャン・ジャック・ルソーが著した“エミール”から、子育てや生活に役立つかもしれない言葉を抜粋して紹介していきます。

     

“子どもは子どもの教育が必要である”と考えたルソーの考えを、1記事に3つずつまとめていきます。

      

またそれらの言葉がこの本の要約にもなるので、よろしければ参考までにどうぞ!

  

ジャン=ジャック・ルソー(1712~1778年)

       

     

「金持ちになったところで、一つの点で私は決して変わらないだろう。」

私はといえば、金持になって人間が変わったところで、一つの点では私は決して変わらないだろう。

 

善い習慣も美徳も全て失われたとしても、とにかく、何らかの趣味が、感覚が、繊細さが私に残っていることだろう。

 

それが私を守ってくれて、騙されながららちもないことを追っかけまわして財産を使い果たすようなことを、子どもみたいなものに裏切られ、あざけられて財布を空っぽにしたり、生命をすり減らしたりするようなことを、私にさせないだろう。

 

 

「私は自分の年齢に相応しい快楽だけを求めよう。」

若ければ、私は青春の快楽を求めよう。

 

しかし、官能の喜びを完全に楽しむことを願いながらも、金持ちとしてそれを求めるようなことはしまい。

 

現在の私にとどまっているなら、ことは別だろう。

 

私は用心して自分の年齢に相応しい快楽だけを求めよう。

 

私が楽しむことのできる趣味を趣味として、今では私に苦しみをもたらすだけの快楽をなくしてしまうことにしよう。

 

白い毛が混じっている髭を若い娘の頬に近づけて、軽蔑され、嘲笑されるようなことはしまい。

 

(中略)

 

仮に、習慣を抑えきれないために、昔の欲望が必要になっていたとしたら、多分私はそれを満足させるだろうか、それを恥ずかしく思い、そういう自分を考えて頬を赤らめるに違いない。

 

私はその必要から情熱を遠ざけ、できる限り似合わしい相手を選んで、それで満足することにしよう。

  

 

「人生には他にも楽しみはある。」

いくつかの楽しみがなくなっても、人生には他の楽しみもある。

 

逃げていくものを追っかけ回しても無駄で、そんなことをしていると、まだ私たちに残されているものまでなくなってしまう。

 

年とともに趣味を変えることにしよう。

 

季節と同じように年齢もずらせないようにしよう。

 

いつまでもあるがままの自分でいなければならない、そして自然に逆らうようなことをしてはならない。

 

そういう無駄な時間は生命をすり減らし、私たちがそれを用いるのを妨げる。

 

 

まとめ

今回は自分の年相応の趣味についての話が中心の文でしたね。

 

若い頃はお酒とギャンブルと女遊び……。

 

娯楽が限られていた当時の背景から考えると、歳を取っても同じことをするのは相応しくないという彼の考えが見て取れます。

 

年相応の趣味があり年相応の快楽がある。

 

体力にも限りがあれば健康であり続ける補償もない。

 

それに加え、今の趣味でなくとも人生には他の楽しみもあると言っていますね。

 

今の価値観では、子どもの頃の遊びを極めることができれば、やり方次第で生きていくことができます。

 

そんな中でも今の自分だからこそできる他の趣味に目を向けることができると、世界が広がるかもしれませんね!

 

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