教育文学

青年にとって一番悪い歴史家は、判断を下している歴史家だ。~エミールより~

教育

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この記事では、ジャン・ジャック・ルソーが著した“エミール”から、子育てや生活に役立つような言葉を抜粋して紹介していきます。

   

“子どもは子どもの教育が必要である”と考えたルソーの考えを、1記事に3つずつまとめていきます。

    

   

ジャン=ジャック・ルソー(1712~1778年)

  

 

「歴史を通して彼は人の心を見るのだ。」

社交界では、弁舌を示して行動を隠す。

ところが歴史の中では行動が明らかにされ、人々は事実にもとづいて判断される。

 

社会の中には口では良いことを言って裏では汚いことをやっている人もいる……、ということを言っています。

 

歴史では多少脚色があるにせよ、人物の良いところも悪いところも含めて起こった事実が反映されていると説明しています。

 

 

「国が栄えている間は歴史は何も語らない。」

歴史は革命とか大騒動とかいうことがなければ興味がない。

それ故、温和な政治が続き、国が栄えている間は歴史は何も語らない。

わたしたちに欠けているのは、富み栄えていく国民の歴史だ。

 

国同士が争っていたり、国を滅ぼすような事件ばかり注目されていますが、本当は国が発展している時のも目を向けるべきだということですね。

 

日本史においても平和が続いた江戸時代より、戦乱や動乱の時代である戦国時代や明治時代前後が人気なのに似ていますね。

 

 

「青年にとって一番悪い歴史家は、判断を下している歴史家だ。」

歴史家の判断が生徒を導いていたのでは、それは他人の目で出来事を見ているに過ぎない。

事実を示し、生徒自身に判断させるのだ。

そうしてこそ彼は人々を知ることを学ぶのだ。

 

教える人の考え方を押し付けてはいけないということですね。

 

事実を並べて、それを知った生子ども自身に判断させるべきだと言っています。

  


 

今回は歴史の見方についての言葉でした。

 

この辺からエミールが青年になった頃の話になります。

 

ここからは物事を判断力を重視する言葉が増えていきます。

 

大人の自分勝手な思想によって歴史を押し付けてはならない…という部分はとても大切だと思います。

 

都合の悪いこともさらけ出し考えさせることで、子どもが善悪を判断する力が養われていくということですね。

 

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