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【Web3とDAO⑤】Web2=競争、Web3=共創

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前回記事

 

 

前回記事では、Web3と金融を合わせた分野DeFiについてまとめていきました。

  

ブロックチェーン技術によって、特定の企業や団体の担保無しに、個人でも信頼性の証明ができるようになりました。

  

その結果、DeFiでは、デリバティブ取引や保険など、既存の金融商品と同じようなサービスを再現できることも分かりました。

  

今回は、Web2がもたらした変革と、Web3のコンセプトである“共創”についてまとめていこうと思います。

  

  

Web2がもたらした変革

  

2000年頃、インターネットの発展によってITの産業化が急激に進みました。

  

それを示す例としてITバブルが挙げられます。

  

1990年代から2000年初頭にかけて、アメリカの市場を中心にインターネット関連の企業に巨額の投資が集まり、ITバブル(ドットコムバブル)が起こりました。

 

その時期はアメリカの低金利政策の影響もあり、スタートアップ企業も乱立したこともバブルに拍車をかけることになりました。

  

産業として認識された反面、IT株が実態のない異常な値上がりを見せたため、2001年にバブルが弾けることとなりました。

  

この一連の流れは、世間が持つインターネットに対する期待の裏返しとも言えます。

  

その影響によってデジタル技術は革新的な進歩を遂げます。

  

オンラインショップを開くことで実際にお店を構えない分コストを大幅に削減でき、情報発信は紙媒体ではなくインターネット上の資料や動画で提供できる……。

  

Web2の技術によって様々なコンテンツがインターネット上で実現できるようになりました。

  

中でもこれらの価値を大きく高めたのが“検索サービス”です。

  

検索サービスが現れる前、インターネット上にある情報は“ただそこにあるだけ”でした。

  

情報を取り出す術を知らない者達にとっては、その情報が無いに等しい状態でした。

  

インターネットが普及した当初は“情報の掃き溜め”と言われたほどです。

 

そんな中、GoogleやYahooなどの検索サービスが登場したことにより、情報を取り出すことが可能になりました。

  

これによって情報の蓄積や共有が容易になり、我々の生活を大きく変えるほどに、様々なサービスが現れることになりました。

  

  

Web2=競争

  

あらゆる分野にインターネットが入り込んでいったことで、それまでにはないビジネスやサービスが生まれていきました。

  

その大きな要因となっているのは、企業や国家間による“ITの競争”と言えるでしょう。

  

ITバブル時代、アメリカを始めとする、国を挙げて行ったスタートアップ企業への投資は、IT革命の起点となりました。

  

中には競争に勝ち抜き、急成長を見せた新興国も現れます。

  

今ではIT大国として名を馳せているインドもそのひとつです。

  

Google、マイクロソフト、アドビ、Twitterなどシリコンバレーを代表する企業の代表(CEO)はインド系で占められていたりもします。

  

そんなWeb2も、それ以前の資本主義的な競争原理に大きく則った動きをしています。

  

企業は利益を追い求めることが原則であり、ニーズのあるものを事業として展開していきます。

  

新規事業として生まれたアイデアは、ニーズがあると分かればあっという間に模倣されます。

 

市場にいるユーザーの数も限られているため、各社は勝つか負けるかの競争を強いられます

  

ユーザーの認知を求めるために、技術とは関係のない広告宣伝費にリソースを割かなければならない、という点もWeb2の情報流通の特徴です。

  

いかに他の企業と独自化できるか、いかに市場を独占できるか、いかに認知してもらえるか……、という点がWeb2では重要だったのです。

  

  

Web3=共創

UnsplashClay Banksが撮影した写真

  

Web3が持つ価値観は競争ではなく“共創”です。

  

一社で市場を作るのではなく、複数社で市場を作っていけることがWeb2と大きく違う点です。

  

Web3で実装されたプログラムのことを、一般的に“プロトコル(コンピュータ間の通信の約束事)”と呼びます。

  

誰をやっても同じルールで処理され、特定のアウトプットが得られるため、そう呼ばれています。

 

多くの場合、このシステムを動かし続けるために、トークンと呼ばれるアイテムをシステム内に組み込んでいます。

  

ユーザーがトークンを保持するということは、プロトコルを部分的に保有しているのと同じと言えます。

  

従来のビジネスでは、ユーザーはサービスを提供だけされていて、サービスそのものを所有しているのは会社(株式会社においては株主)です。

  

一方Web3では、トークンを所有することでサービスに参加することができます。

  

プロトコル維持のためにトークンを所有したり、流動性確保のためにトークンを提供したり、トークンの規格に則って新たな機能を追加したり……。

 

Web3におけるプロトコルは、誰でも手の届くところにあり、全ての人がユーザーであり所有者になれます。

  

他の誰かが公開したプロトコルを前提とし、それを組み合わせて新しいプロトコルを開発することも可能です。

 

このようなことができるのは、社会インフラとして、全ての人に解放され、全員が同じ共通基盤を利用し、標準化されたルールに則って開発、利用することができるからです。

  

既存のイノベーションに新しいイノベーションが加えられ、新たな技術が現れる。

  

Web3には、そんな力が秘められています。

  

そして、ブロックチェーン上で実装されたルールを共有し合い、目標によって組織されたグループが“DAO”です。

  

次回、詳しく迫っていきます。

 

  

まとめ

いかがだったでしょうかWeb2とWeb3の違い。

  

インターネットが情報を自由にやり取りできるようにした結果、それをうまく活用できたものとそうでないものに大きな差が生まれました。

  

GAFAMなどをはじめとする2000年代前後に頭角を現した企業は、現在でも世界のトップレベルの企業価値を誇るまでに成長しています。

  

分散型金融DeFi、分散型サイエンスDeSci、メタバース……、Web3を活用したテクノロジーも既に手の届くところにあります。

  

これから先、どんなものが私達の社会に影響を及ぼしていくのか、私達はただの傍観者となるのか、プレイヤーとしてWeb3を活用する側に立つのか……。

  

お金と時間を使ってでも経験する価値はあるのではないでしょうか?

 

 

次回記事

 

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