銀貨を得ることの正当性を主張した絵〜貢の銭(みつぎのぜに)〜

芸術
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今回はマタイによる福音書の記されたペトロの物語をテーマとした絵についての紹介です。

 

若くして亡くなった巨匠マザッチョが描いた税にまつわる絵画について触れていこうと思います。

 

まずはマザッチョの軽い紹介から始めます。

  

 

マザッチョ

マザッチョ(1401〜1428年)

 

マザッチョ(マザッチオ、マサッチオ)ことトンマーゾ・ディ・セル・ジョヴァンニ・ディ・シモーネ・カッサーイはルネサンス初期頃に活躍したイタリア人画家です。

 

代表作にはアダムとイブが神の怒りを買った後の出来事である“楽園追放”があります。

 

マザッチョ作「楽園追放」1425年頃

 

動いているかのように見せる躍動感や絵の人物の表情から読み取れる感情の豊かさ、さらに絵自体の技術も相まって当時最高の画家とも称される人物です。

 

彼は非常に短命でしたが、広く見せる空間把握や人物の表情の描き方など、後の画家に多くに影響を与えたとされています。

 

以下に彼の傑作ひとつ“貢の銭”を紹介します。

 

 

貢の銭

 

この絵はフィレンツェの聖マリア・デル・カルミネ聖堂のブランカッチ礼拝堂に飾られている絵です。

 

聖書に記されているエピソードを主題に描いています。

 

絵は中央→左→右の順でストーリー化されています。

 

絵の中央=税収官とペテロ

中心の絵は、オレンジ色の服を着た税収官とキリスト達のやりとりを描いています。

 

税収官はキリストの弟子のペテロに「あなたの師は税金を納めていないのか」と尋ねています。

 

その言葉に対しキリストが、「湖に行って魚の口から銀貨を取り出し、その人に渡しなさい」と言います。

 

その湖をキリストが指を指しているのが分かりますね。

 

絵の左端=魚の口から銀貨を取り出すペテロ

シーンは絵の左端に移動し、ペテロが魚の口から銀貨を取り出している様子を描いています。

 

肩に流していたオレンジ色の布が横に置いてあるため、この人物がペテロであることが分かります。

 

 

絵の右端=税収官に銀貨を収める

絵の右端にはペテロと税収官に銀貨を渡し、事を収まったことを表すシーンが描かれています。

 

 

テーマはお金?

商人であるブランカッチによって建てられたこの礼拝堂。

 

キリスト教の教義から考えると、金銭を得るという商人という立場は敬遠されがちでした。

 

富は神からの祝福、富は悪ではないが信仰に余計なもの、富そのものが罪……。

 

当時から富については様々な考えがあり、デリケートなテーマでもありました。

 

この絵では、海から富を得ていたブランカッチの職業と絡め、商人という職業の正当性を主張していると言われています。

 

また、当時のフィレンツェ市民に課せられた税金に対する納税意識を高めるものとして一役買っていたとされています。銀貨を得ることの正当性を主張した絵〜貢の銭(みつぎのぜに)〜

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