腐食を防ぐ膜や宝石の色にも~クロム~

科学
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クロム(Cr)は非常に硬く腐食しにくい金属です。

 

光沢のあるメッキとして使われる事が多く、特にバナジウム合金などの工具によく使われています。

 

ステンレス鋼では特に金属の腐食を防ぐ役割を担っています。

 

これは含有するクロムが空気中の酸素や水と反応して錆び、金属の表面に膜を作ることによるものです。

 

この膜を不動態皮膜といい、金属などの皮膜の内部を酸化などから保護しています。

 

 

Stain(錆び、腐食)+less(より少ない)=Stainless(錆びにくい)

 

という名ではありますが、実はすでに錆びた膜が表面を覆っているため、それ以上錆びないようにな仕組みになっています。

 

クロム元素は1797年、フランスの科学者ルイ=ニコラ・ヴォークランによって発見されました。

 

ルイ=ニコラ・ヴォークラン(1763~1829年)

 

彼はシベリアで採掘された鉱物クロコアイト(PbCrO4)から鉛(Pb)を取り除くと、未知の酸化物が生成されることを発見。

 

この酸化物を還元したことで得られた元素がクロムでした。 

クロコアイト=紅鉛鉱(こうえんこう)

 

バナジウム同様、クロムを含む化合物は多彩な色合いを見せることから、ギリシャ語のchroma(色)に因んで“クロム”と名付けられました。

 

変色の例としては、

コランダムクロムが混ざるとルビーに… 

ルビー

 

ガーネットクロムが混ざるとデマントイド(デマントイドガーネット)に…

デマントイドガーネット

 

これは結晶中の原子が他の原子に置き換わる“同型置換”によるものです。

コランダムがルビーに変わる際の同型置換の例

ルビーを例にした場合、上の図のようにアルミニウム原子がクロム原子に置き換わります。

ルビーのような発色の場合、0.5~1%のクロム(Cr3+)が置換されると言われています。

 

 

豆知識

単色で書かれたイラストなどをモノクロといいますが、これはギリシャ語の1を表す“モノ”と色を表す“クローム”が合わさったものです。

 

高校化学基礎では錯イオン辺りの単元で触れますね。

 

ちなみに基本的なギリシャ語の数は以下のように表されます。

1:モノ
2:ジ
3:トリ
4:テトラ
5:ペンタ
6:ヘキサ
7:ヘプタ
8:オクタ
9:ノナ
10:デカ
11:ウンデカ
12:ドデカ

 

倍数は

10倍:デカ

100倍:ヘクト

1000倍:キロ

1000000倍:ギガ

1000000000倍:テラ

 

0.1倍:デシ

0.01倍:センチ

0.0001倍:ミリ

0.000001倍:マイクロ

0.000000001倍:ナノ

 

馴染み深い単位もありますね。

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